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Guideline for Treatment of Hypertension in the Elderly
齊藤 郁夫 (慶應義塾大学保健管理センター)
2003年以来,欧州高血圧学会-欧州心臓病学会(ESH-ESC)は合同で高血圧治療ガイドラインを作成しており,2007年に改定した.
ESH-ESC2007では,予後に影響する因子で危険因子の中の脂質代謝異常において定義がより厳格となり,総コレステロール190mg/dL,LDLコレステロール115mg/dL以上となった.
低,中等,高リスク,超高リスクの4つのリスク分類はESH-ESC2007で引き続き用いられているが,MetSを無症候性臓器障害,糖尿病と同様に危険因子3つに相当するリスク因子とした.
ESH-ESC2003では低リスク者は生活習慣の改善で6~12カ月観察し,その後,血圧が高ければ薬物治療開始,中等リスク者は生活習慣の改善で3~6カ月観察し,その後,血圧が高ければ薬物治療開始,高,超高リスク者は生活習慣の改善に加えて,薬物治療開始とした.JSH2004では低リスク者は生活習慣の改善で3カ月観察し,その後,血圧が高ければ薬物治療開始,中等リスク者は生活習慣の改善で1カ月観察し,その後,血圧が高ければ薬物治療開始と,薬物治療までの期間が短くなったが,ESH-ESC2007において薬物治療までの期間がさらに短縮され,低リスク者は生活習慣の改善で数カ月観察し,その後,血圧が高ければ薬物治療開始,中等リスク者は生活習慣の改善で数週間観察し,その後,血圧が高ければ薬物治療開始と,より早く血圧をコントロールする方向が打ち出された.
130/80mmHg未満を目標とする疾患に従来の心血管疾患,糖尿病,腎疾患に加え,心筋梗塞,脳血管疾患が追加され,より厳格な降圧を求める方向がさらに強調された.
利尿薬,β遮断薬,Ca拮抗薬,ACE阻害薬,ARB,α遮断薬の6種類のうちα遮断薬を除いた5種類は介入試験により有効であることが示されたとしている.
個々のクラスの降圧薬の推奨される状態としてACE阻害薬にはESH-ESC2003の心不全,左室機能不全,心筋梗塞後,非糖尿病性腎症,糖尿病性腎症,蛋白尿に加え,ESH-ESC2007において左室肥大,頚動脈アテローム硬化,微量アルブミン尿,心房細動,MetSが追加され,ARBには糖尿病性腎症,微量アルブミン尿,蛋白尿,左室肥大,ACE阻害薬による咳に加え,心不全,心筋梗塞後,心房細動,MetSが追加され,Ca拮抗薬には収縮期高血圧,高齢者,狭心症,頚動脈のアテローム硬化,妊娠に加え,左室肥大,冠動脈のアテローム硬化が追加された.
利尿薬+ACE阻害薬,利尿薬+ARB,Ca拮抗薬+ACE阻害薬,Ca拮抗薬+ARB,Ca拮抗薬+利尿薬,Ca拮抗薬+β遮断薬が2剤の併用として推奨され,ESH-ESC2007においては利尿薬+β遮断薬,α遮断薬+β遮断薬が外された(図).
また,血圧が非常に高い場合,高リスク以上の場合,低い降圧目標の場合に治療開始時から併用療法を用いることも選択肢とされている.

図 降圧薬の併用
※メディカルレビュー社 『高血圧ナビゲーター第2版』 第8章診断・治療指針より、出版社の承諾のもと一部改変し掲載しております。